豊かな自然に恵まれ、多様な歴史をもつ神奈川県には、観光から日常のワンシーンまで、“物語”を想起させる場所がたくさんあります。
歴史に名を刻む文学者たちは、風土や環境との関わりから多くの作品を生み出し、今を生きるアーティストたちも、土地から得た着想を表現へと結びつけてきました。
本特集「土地の物語」は、神奈川県にゆかりのある作品や、表現者たちの言葉をとおして、土地から立ち上がる複数の物語をひもときます。
特集コンテンツの「SCENE」では、小説や演劇の舞台となった風景と、その作品世界を紹介。
東西に広がる神奈川県の東には、開港の地・横浜や、古都・鎌倉などの都市があり、西には伊勢原・秦野・厚木にまたがる大山のような自然があります。「SCENE」で取り上げた小説のなかに登場する“横浜のモナコ化計画”や、認知症、PTSDといったテーマが、初版から約70年がたつ今も、リアリティをもって響くことにも驚かされます。
コラムや対談、インタビューなどその他のコンテンツでも、多様な視点から「土地の物語」を掘り下げた特集になりました。
私たちの生活と、隣り合わせにある土地。
そこには人々の思いが、時代を超えて引き継がれています。